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不定愁訴、慢性痛、頭痛、腰痛、線維筋痛症治療の情報

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線維筋痛症の歯科的治療について 

 噛み合わせで起きる全身症状

インターネットを見ている印象からすると意外に思えるでしょうが、噛み合わせが頭痛や腰痛などの慢性痛・不定愁訴などの全身症状の原因になるかどうかについて、歯科医の間で賛否両論の議論が続いています。

肯定派が優勢な時代があったり、否定派が優勢な時代があったりの繰り返しが、もう60年以上続いています。

ここ十数年は否定派が優勢です。その理由として、歯科研究にエビデンスの考えが導入されて新しいシステムで研究が行われた結果、否定的なデータが相次いだことが挙げられます。

そのため、否定派は大学関係者や最近の大学教育を受けた比較的若い歯科医に多く、肯定派の多くは臨床経験の長い開業医であるという構図になっています。

長く臨床をしていると、噛み合わせに関連した頭痛や不定愁訴と思われる症例に出くわすことが少なくありません。
一方、科学的研究手法で調査してゆくと関連債が否定される、そんな状況が長く続いています。

この矛盾した状況は、私にとってどうにもすっきりとしない、気になって仕方がない問題でした。
臨床経験と科学的研究の結論とがなぜ矛盾するのか、そのまま見過ごしにできない問題になっていました。

世の中には多くの「噛み合わせ理論」があります。私はそれらについて情報を集め、研修会に参加して勉強をしてみました。結果的にはそれらの「噛み合わせ理論」と呼ばれているものの内容は、本質的には「過去の臨床経験を集めただけ」であって、まだ理論にまでは到達していないものでした。

一応理論めいた部分もあるのですが、事実に裏打ちされて論理的に矛盾のないもの、という意味では「理論」ではなく「想像」に過ぎないものばかりでした。

過去の経験に基づいて治療をすること自体は悪くないことではあるし、解明されていないことがらに自分なりの説明を付けて安心したい気持ちは分からなくはないのですが、やはりそれではすっきりしません。

解明されていることと解明されていないことは、はっきりさせたいのです。その気持ちは私の性格からくるものかもしれませんが、歯科医学というあいまい性を許容する学問を学ぶ前に、論理性を重視する物理学を学んだ経歴が影響しているかもしれません。

噛み合わせで起きるように見えるいろいろな症状の正体は、いつも私の頭の中に引っかかっていた疑問でした。


線維筋痛症という病気

たまたま医学誌で線維筋痛症という耳慣れない病名を見かけたのは、そのような時でした。
驚いたことに線維筋痛症の多様な症状は、歯科医が噛み合わせで起きる症状とか、咬合関連症候群などと呼んでいる症状ととてもよく似ていました。

私は線維筋痛症に関する文献を調べました。さいわい、今は主要な医学誌に掲載された論文はオンラインで検索できます。

ほとんどの論文は欧米の整形外科系の研究者によるものだったので、歯科ではなじみのない専門用語が使われているため時間がかかりましたが、それでも、100本の論文を読み終えるころには、線維筋痛症を巡る状況がかなり理解できるようになりました。

興味深かったのは、アメリカ口腔顔面痛学会の重鎮であるDr.Frictonが難治性顎関節症と線維筋痛症の関連について論文を書いていること、線維筋痛症研究のトップランナーの一人であるProf.Wolfeがあごの痛みと線維筋痛症の関係に注目していたことでした。研究によれば、線維筋痛症患者の約65%が顎関節症を合併しているということなので、線維筋痛症の研究者が顎関節症に興味を持つのも当然かと思われます。

そこで、私が治療していた噛み合わせによる全身症状の患者さんたちを、アメリカリウマチ学会線維筋痛症分類基準の手順で診査したところ、40%近くが線維筋痛症に分類され、残りの60%が不全型の線維筋痛症ともいわれる広汎性疼痛症候群であることがわかりました。

歯科医が長年追いかけてきた、幻のようなとらえどころも病名も確定しない噛み合わせに関する全身症状は、線維筋痛症の概念で説明できる、と私は確信しました。

そこまでくれば、すべきことは線維筋痛症の膨大な研究で解明された医学知識を歯科医療に応用することでした。

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