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線維筋痛症、慢性痛、頭痛、腰痛、不定愁訴の治療情報

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線維筋痛症と歯科治療


線維筋痛症研究で解明された医学知識を歯科治療に応用する試み

 線維筋痛症それ自体も未解明な部分の多い謎の疾患なのですが、それでも噛み合わせで起きる全身症状・不定愁訴に比べると、はるかに多くの信頼性のある研究が行われています。
              

 歯科医の立場から本音を言えば、これだけ多くの信頼性のある情報があっても謎の疾患と言われているなら、歯科の噛み合わせ関係の研究の科学としてのレベルは、いったい何と表現していいものやら、困惑してしまうほどの差があります。

 話が逸れました。線維筋痛症関係の研究の成果で最も注目されるのは「中枢感作」のコンセプトです。


 

上の図はDr. Nathan J. Rudinの論文
 Evaluation of Treatments for Myofascial Pain Syndrome and Fibromyalgia
からの引用した中枢性疼痛とその治療の概念図です。

この論文は2003年に発表されているため、現在の視点から見ると、ややあいまいで不十分な点があります。ですから、大雑把にはこんな感じだということでご覧ください。

線維筋痛症や慢性疼痛で語られる中枢感作(中枢神経系の痛み感受性の暴走)という現象について、まず見てみましょう。

皮膚や筋肉の感覚は神経線維により脳へ伝達されます。痛み信号を伝える神経線維には、大きく分類すると有髄で伝達速度が速いA-線維と、無髄で伝達速度の遅いC-線維があります。慢性の鈍い痛みはC-線維によって伝えられます。

このC-線維には短い間隔で一定強度の繰り返し刺激を与えると、時間の経過とともに刺激が強く感じられるようになってくる、という性質があります。この現象を「遅い痛みの時間的蓄積」と呼んでいます。

上の図でいうと、左上の皮膚からの信号は中央の脊髄(断面を図示しています)の後根神経核に入るまでは一定の強度なのですが、ここで後根神経核細胞に伝達された信号が右上の脳に伝達される間に強度が増幅されるということになります。

線維筋痛症や顎関節症、筋筋膜痛症候群、偏頭痛、緊張型頭痛、過敏性腸症候群などの疾患では「遅い痛みの時間的蓄積」が病的に亢進します。

中脳中心灰白質(PGA)ー延髄大縫線核、PGA−延髄背側網様体核系の下降性疼痛制御系が、脊髄後根神経核細胞の感度を制御して、これに関与していると考えられています。そのため、この現象を中枢神経系の過敏状態「中枢感作」と呼んでいます。

また、C-線維には内分泌機能があり、刺激によって発炎物質を分泌し、局所に炎症を引き起こします。特定の種類の刺激にだけ反応する受容器に接続しているA-線維と異なり、C-線維は自由神経終末で終わっていて、自由神経終末は損傷、温度、機械的圧力などの多くの種類の刺激に反応するポリモーダル受容器となっています。
このような構造のため、C-線維は局所の感作を起こす性質があります。

現在では、中枢感作と局所感作が相互に影響し合って絡み合うように作用して、線維筋痛症、多発性の筋筋膜痛症候群、不定愁訴を伴う顎関節症などの慢性疼痛を引き起こすと考えられています

不定愁訴を伴う顎関節症・噛み合わせで起きる不定愁訴は、従来考えられていたような「顎がずれて、その重さのバランスを取ろうとして体が曲がる」式の単純な病気ではなくて、複雑な背景がある病気だったのです。

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