本文へスキップ

福岡市のかみ合わせ治療専門の顎関節症クリニックです。

電話でのご予約はTEL.092-841-6480

〒841-0032 福岡市早良区小田部1-29-48

顎関節症・筋筋膜痛症候群・線維筋痛症のメカニズム3

三叉神経中脳路核、神経ヒスタミンの話

方針イメージ


三叉神経中脳路核

三叉神経の感覚は脳の非常に大きな面積に伝えられるだけでなく、生体の維持に必要な特殊な分野へも伝えられます。それはエネルギー摂取と消費に関係した機能です。口腔からの信号は三叉神経中脳路核を経て後部視床下部の結節乳頭核に伝えられ、この部のヒスタミン駆動性ニューロンを活性化させます。また、腹内側核の満腹中枢に伝えられ食欲を調節します。

線維筋痛症や顎関節症では睡眠障害や微熱が見られますが、三叉神経はこれらの症状に関与しています。結節乳頭核の交感神経線維は、脂肪組織や筋中のUCPを活性化させて、熱産生を増大させ、体温を上昇させます。これは食事誘導性熱産生と呼ばれる現象です。

また、結節乳頭核ヒスタミンニューロン系は睡眠覚醒のリズムを作っていることも知られています。抗ヒスタミン剤を飲むと眠くなりますが、それは睡眠覚醒を担っているヒスタミンニューロン系の働きを、薬剤がブロックするからです。最近市販された睡眠誘導剤ドリエルは強力な抗ヒスタミン剤です。

また、UCPは線維筋痛症の筋の異常に関与している可能性が高いのです。UCPは血中の糖を分解して熱を作りますが、ATPは解糖系により糖が分解されるエネルギーを使って合成されます。UCPとATPは糖の大口消費者なのです。片方の大口消費者が活発に活動すればもう片方はどうなるか、おおよそ予測がつくと思います。

実際、遺伝的にUCP活性が高いUCP−Hマウスでは、筋のATP濃度の減少、ミトコンドリアの変形、筋力の大幅な低下が見られます。線維筋痛症に関して、現在確認されている唯一の組織的異常は、筋のミトコンドリアの変形です。そして、ATP濃度の減少と線維筋痛症の症状との間には相関が認められると報告されています。UCPの慢性的活性化は線維筋痛症と同様な障害をもたらします。

大脳での痛みの受容に関してもヒスタミンニューロン系は大きな影響を持っています。遺伝的にヒスタミン受容器が欠損している実験動物であるヒスタミンH1レセプターノックアウトマウスは、痛みに対する反応が鈍いことが知られています。これらのことから、咬合治療の効果は口腔の固有感覚受容器―三叉神経中脳路核系によるものと考えられます。次のページでは、口腔の固有感覚受容器と下行性疼痛制御系、中枢感作とのかかわりについて述べたいと思います。



このページの参考文献

1)R. B. Raffa著
“Antihistamines as analgesics”
掲載誌: Journal of Clinical Pharmacy andTherapeutics 2001年 26, 81-85


2)谷内一彦,倉増敦朗,櫻田忍著
”ノックアウトマウス研究から明らかにされる痛み受容におけるヒスタミン受容体の役割”
掲載誌: 日薬理誌(Pharmacol. Jpn.) 2003年 122,391〜399


3) G. Vanni-Mercier, S. Gigout, G. Debilly, J.S. Lin著
Waking selective neurons in the posterior hypothalamus and their response to histamine H3-receptor ligands: an electrophysiological study in freely moving cats;
掲載誌: Behavioural Brain Research 2003年 144 227-241


4)吉松博信,坂田利家 著
“エネルギー代謝調節における神経ヒスタミン機能”
掲載誌: 「肥満研究」2001年 Vol. 7 No. 2


5) Dong-Ho A. Nolte, Jeong-Sun Ju, Trey Coleman, John O. Holloszy, and Clay F. Semenkovich著
UCP-mediated energy depletion in skeletal muscle increases glucose transport despite lipid accumulation and mitochondrial dysfunction”
掲載誌: American Journal of Physiology, Endocrinology and Metabolism 2004年  286: E347-E353,

 

戻る

顎関節症クリニックやまだ歯科顎関節症クリニックやまだ歯科

〒814-0032
福岡市早良区小田部1-29-48
TEL&FAX 092-841-6480